≪第6回OCDの会研修会・第7回市民フォーラム≫

【場 所】:大阪府社会福祉会館 (大阪市中央区谷町7丁目4番15号)
【期 日】:平成23年1月22日(土)〜23日(日)


【研修会の特徴】
今回の1日目は小畔先生による一般向けの人を動機づけるのに有効なコミュニケーションの方法を学べる基礎講座と、治療者向けには、谷晋二先生による行動療法講座として、臨床で使えるアクセプタンス&コミットメントセラピーの実際をやさしく丁寧に教えて頂けます。
2日目は実践形式のワークショップも交えて行います。グループを利用した相互エクスポージャーについて,デモ患者さんに協力をいただいて集団行動療法の治療の実際を体験していただく予定です。       
学生や一般の方々から治療者までそれぞれのレベルやニードに応じて基礎・実践などの3つのプログラムを個別に受けられるよう企画しました。



【日程】
1日目(1月22日)土曜日
動機づけ面接入門〜親心が裏目に出るとき〜
≪講師:小畔≫
本人と家族が強迫に引きずられることをやめ、治療へ向かうことを促すコミュニケーションスキルを学べる行動療法基礎講座です。医療関係者や学生も受講可。
10:00〜  受付
10:30〜11:30 行動療法基礎講座
11:30〜12:30 昼食
12:30〜15:30 行動療法基礎講座
15:30〜16:00 質疑応答・まとめ 

医療従事者のための行動療法講座〜ACTの実際〜

13:00〜16:00 ≪講師:谷≫
(※17:00まで延長の場合があります)

第7回市民フォーラム
18:30〜20:30(質疑応答含む)
『強迫性障害の治療〜海外での新しい治療法も含めて〜 』
中前貴先生(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学/大阪府済生会吹田病院精神神経科)

『手を汚すことと名を汚すこと〜OCDとSADを一緒に治す〜』
原井宏明先生(なごやメンタルクリニック院長)


2日目(1月23日)日曜日
グループERPデモ〜相互エクスポージャーの実際〜
9:30〜12:00 
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:30 グループデモンストレーション
及び解説
15:30〜16:00 質疑応答・まとめ・修了書授与
※デモ患者さんの都合により、ビデオの解説になることもあります






※※※ デモ患者をして下さった患者さんの感想 ※※※

今回、私はデモ患者として参加させていただきました。
私は、確認の毎日で仕事へ行くのもしんどく感じていました。そんな時、原井先生と岡嶋先生よりデモ患者としてのお話をいただき、どのようなことをするのか不安でしたが強迫にこれ以上囚われたくないと思い挑戦しました。
研修会に参加されている皆さんの前で、「私は迷惑、役立たずの無能者、一円並み」と大きな声で言うことが本当に辛く、なんて自分は情けなく価値のない存在なのだろうと思いました。目先の確認ばかりを気にして、周りが全く見えず、仕事では間違えて後で大変なことになり、ずっと確認しておけばよかったと後悔するという観念が消えませんでした。今まで私は強迫観念がわいてきたらそれを打ち消そうとして逃げてばかりでした。しかし、実際に行動してみて嫌なことや恐いことに立ち向かって前には戻らない、諦める勇気が少し持てるようになった気がします。
これからは、ミス迷惑女の意気地なしさんでやっていこうと思っています。   (ミス迷惑女の意気地なし)



    ※※※ 今回ご協力して頂いた講師をお願いした先生の感想 ※※※

動機づけ面接入門 〜親心が裏目に出るとき〜 小畔美弥子先生(おぐる医院院長)

 私は今回の研修で「動機づけ面接入門〜親心が裏目に出る時」を担当させていただきました。どなたでも参加していただいて構わない講座としましたが、参加者の中心として想定していたのは、副題からもわかるように御家族の方でした。研修は、エクササイズなどで参加者から引き出すスタイルで行ったところ、私の予想以上に質量ともすばらしい答やアイデアが、参加者のみなさんから出てきました。
 ただエクササイズ中に、関係のない話をされている方に気づきました。それで私は、話を聞いてくれていない!と腹を立て・・・ませんでした。むしろ、その背景を考えた時、じんとくる思いでした。その方たちは、お互いに自己紹介をして、悩みを打ち明けあっておられたのです。
 相談したい、他の家族と話をしたい、という願いをもって来られた方たち。この研修会への参加が、他の家族と接する初めての経験だという方もおられました。
 そういう方たちに対して、地元の会紹介や先輩家族への相談・交流コーナーなどの時間・場所を設けてもいいかもしれません。
 患者さんに対する治療自体が不十分な状況で、難しいこととは思いますが、ご家族へのサポート体制が充実してゆくことを願っております。



グループERPデモ 〜相互エクスポージャーの実際〜 瓦谷久志先生(さんメンタルクリニック院長)

OCDの会研修会体験記 
 名古屋の第二回行動療法研修会から毎回生徒で参加していましたが、今回は講師ですので、少しずつですが、進歩してきました。今から10年前、離島にある隠岐病院という所に2年間勤務していた時に、小さな地域の認知症予防の話から、警察の犯罪被害者についての講義まで大小20回ほど依頼され、病院の本来の仕事よりも、それに疲れてしまいました。それで、開業する時には絶対に講師は引き受けないと決めていました。もし、OCDの会でなければ、研修会の講師は引き受けませんでした。というのも、私は小心者なので、すごく準備するんです。今回、大分前から準備していたのですが、準備すればするほど不十分さが目につきました。それで、年始年末の6日間を缶詰状態で仕上げようと考えていました。ところが家族の事情でそれがとん挫。そのため、とりあえず、「ええい!」と今まで準備した資料を1月3日にOCDの会宛てに送りました。なんとか、本番に間に合いましたが、原井先生のデモと整合性があるのだろうかといらぬ心配をしました。しかし、原井先生が、ご自分の講演で、話を合わせてくれ、私の意味不明な話を聴衆の方たちにわかるようにしてくれました。
感謝!感謝!



※※※ スタッフの感想 ※※※

研修会にスタッフとして3度目の参加となります。1,2,3度目と徐々に雰囲気等にも慣れていくはずなのに、毎回同じ、また、違う緊張感に包まれて気付けばあっと言う間に2日間の日程を終えていることに驚いてしまいました。参加者の皆さんの熱心さに応えられるような研修会運営のお手伝いができたかどうか、スタッフの一人として反省することしきりです。原井先生を始め、講師の先生方、ご参加いただきました多数の方々、本当にありがとうございました。 (mike3)


2日間スタッフとして参加させていただきました。
研修会1日目の講座では、受講者が受け身としてだけではなくロールプレイに参加しながら自らアプローチを考えるという場面もあり、思い思いたくさんの声があげられました。
2日目の講座は、医療現場での行動療法治療経過の解説、実際の治療場面のデモンストレーションが行われ、参加された皆様が真剣に受講されていました。
 フォーラムでは医療関係者の方をはじめ、患者さん本人やそのご家族の方で会場がいっぱいになり、OCDの治療法に関心を持って下さる方の広がりを感じました。
 スタッフとしては、当日のご案内や進行、片づけに至るまで、細やかな配慮が行き届かないところも多々ありましたが、その都度手伝って下さった会員の方々の存在が本当に心強く思いました。ご協力いただきました皆様への感謝と、研修会を終えた安堵の気持ちでいっぱいです。 (take)



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