※ 各地からのたより(2) ※


熊本OCDの会から


あれやこれやにかかずらう人々が集まれば、第3金曜の夜がやって来る。熊本OCDの会月例会が待っている。人付き合いが面倒で世捨て人気取り、その割には毎月顔を出し、進行役まで担ってる。何だか増えてく参加者の、話に耳をそばだてる。
言いっ放し聞きっ放しの集いになぞ何の意味があろう、そんな声があります。僕自身にも「傷の舐めあいなんぞに行くな」と、とある手合いが言ってきたこともありました。
「自分の思いを自由に語ってください。しゃべりたくない方は、何も話さなくて結構です。」
初めて来られた方に必ずかける言葉ですが、なかなかどうして、拒まれたことはほとんどありません。皆、かなりの多弁で、時間の配分を気にし、時計をちらと見やることもしょっちゅう。洗浄強迫に確認強迫、縁起強迫の次は加害恐怖と続きます。収集癖ならぬ廃棄癖の人も。言葉に詰まる唇。頬を伝う涙。過去の自分が去来する。それらの声に答えが出るわけではありませんが、応えはあります。一度でも参加すれば“自分だけじゃないんだ”との実感が得られることでしょう。希望者には、僕がトイレの水に指を突っ込んで全身に塗りたくるエクスポージャーをお見せするのも厭いません。実際、やりましたし。二度三度と来られる方のうちには、治療について前向きな声も聞かれるようになったり。とっとと治して、もうここへは来なさんな。“我が屍を、越えてゆけ”って気持ちです。
毎月OCDの会に参加して、あれよとめきめき回復された女性がいます。初めてその姿を目の当たりにした時、「大物」だと思いました。いつか見た、全身ビニール男以来の。ひどくやつれて、足には何とお風呂掃除のブーツ。そのか細い声に耳を澄ましてよくよく聞けば、病院には行ったものの診察室に入れず、玄関先で診てもらったとか。何か、得体の知れない細菌などを恐れている感じでした。僕にも縁起強迫はありますが、そんなのちっぽけな悩みだと思い知らされたくらい、涜神への恐怖も相当なものでした。そんな状態でしたが、今では彼女は会の世話人のひとり。運転免許も取得し、社会復帰に果敢に挑み、中学生の女の子に熱心に語りかける彼女に、OCDの会の存在意義を見ています。言いっ放し聞きっ放しに見る、人を変える力を見ています。その力を再確認させてもらって、これでますます僕の諧謔にも力が入ろうというもの。
ある古参ボスキャラ女性世話人に、煙たがられてはいますが。
                                          (瞬火)


◎熊本OCDの会 ホームページ
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(留守番電話にお名前とご用件を残して頂ければ、後でこちらからお電話いたします) 
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 世話人はボランティアのため、回答が遅れることがございますがご容赦ください。




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